糸偏生活13 14.Dec.2019

最近 また 『ミス・マープル 』のDVDを見直しています。お家映画は 一週間に3本くらいのレンタルで過ごしているのですが、その間に 自前のDVDを入れ込んだり、誰かに貸していただいたり と テレビはほぼDVD再生機と化しています。

グラナダTVの『シャーロック・ホームズ』 デビット・スーシェさんの 『名探偵ポアロ』 ジェーン・ヒクソンさんの 『ミス・マープル』

この3つのシリーズは時々急に見たくなるので、清水の舞台から飛び降り 骨折しそうになりながらも 揃えました。ここ1年くらいは シャーロック・ホームズだったのが 急に心変わりで 毎晩 ミスマープルで過ごしています。DVD見て 同じタイトルの文庫を読んで…ややこしい性格?ですね。

ミスマープルは 編物と園芸が趣味の初老の素人?探偵。今まで何人かの女優さんが演じてこられましたが 、画像のジェーン・ヒクソンさんが 私は一番好きです。ちょっと硬い感じがしますが、アガサクリスティーは 彼女がまだ若い頃 直接「あなたが年をとったら 演じて欲しい」と言われたそうです。

1930〜1976年に書かれた12作がDVD化されてますが 画像のシリーズの時代背景は全てが大戦後の1950年前後。当時のイギリスの生活風景やファッションが正しく描かれてストーリー以外も見るべきものが多くて 編物のシーンや編物に関しての会話、花や植物、食べ物など何回見ても発見があります。

このドラマで「素敵な模様 」を handsome pattern 、 ハンサムはgood looking と教えてもらった。 シードケーキとはスコーンと同じくらい愛される紅茶のお供でキャラウェイシードだけのバターケーキのことで、本物と偽物がある。うずらは食べたことあるけど 「宝くじに当たったような大金が入ったら 山うずらを一匹丸ごと食べたい 」とミスマープル。「山うずら」ってどんな味なの?…セリフの全てが面白い。

シャーロックホームズの時代は リバティ商会が軌道に乗り国内外に支店を開いた頃(パリ支店1890年) 。 ポアロさんは1930年代 タナローンが発売された頃 。 ミスマープルの時代はタナローンが一般の人々に浸透した頃 。

19世紀〜20世紀のイギリスものを リバティと結びつけて見てしまうのは楽しい職業病です。

糸偏生活12 13.Dec.2019

お客様の作品

3歳のお嬢さんのジャンパースカート。地味なお色目かと心配されてましたが、お気に入りの柄で、ハイウエストのグログランリボンをアクセントされたらとても素敵になりました。

仲良しお友達で作られた NOROソックヤーンの手編バッグ。このソックヤーンとDMCのナチュラの2本どりの細編みバッグはトランテアンのロングセラー 。色合わせははぼ無限大と言っていいくらい同じ物は無い気がします。下段はわざと裏を表に出したら色変わりが穏やかになって、綺麗な夕焼け空になりました。

パピー リーフィーと セナぺの引き揃えで 細編みを一目ごとの引き上げ編みで全体をあんであります。細編みだけより糸の量は多いですが しっかりするし、表情が出てますね。持ち手裏は いつものグログランリボンではなく、レザーを貼ったら、編み地とよりマッチしてますね。凄く高級感がでて、職人の手仕事になりました。

糸偏生活 11 12.Dec.2019

昭和手編本



昨日の 「糸偏生活」に関連して… この間 90歳近い 編物好きの方より 昔の編物の本をいただきました。

その中で一番古いのは昭和8年の上記の画像のもの。写真そのものだけじゃ無く、ヘアスタイルなどなかなか古色豊かですが、作り方も 毛糸の分量の単位は 〝オンス〟なのに、出来上がり寸法などは 身丈一尺三寸(49.2糎)の表記。横書きは右から左へ。でも巻末には バッチリ 通販のお知らせが。デザインは今もある感じ。

画像1の左下の 『毛糸あみもの全集8』昭和30年のもの。掲載作品の全てが海外写真。著者の渡辺イルゼさんは 編物作家さん。朝吹登水子さんはフランス文学者。お二人共 カリスマ的センスの持主で当時大人気 でした。昭和29年に〝7〟が発売されているので〝1〟は昭和23年かしら。戦後3年で海外のファッションが 家庭の茶の間に入っていたことになりますね。

右ページのスキースタイル サングラスと帽子がすごく素敵。

糸偏生活10 11.Dec.2019

画像2点の柄の名前のお問い合わせをいただきます。この2点は2020SS Atlier Collection “ Florals”. で発表されたものです。英国 シルクのみです。

画像 上 Dancing Flowers リバティ社のアーカイブから

画像 下 Scattered Roses 1950年代に描かれたデザインで オリジナルは1952年 「ブロッチ・ローズ」と言う名前で、リバティ社 マートンプリント工場にて印刷されました。

先日 とても興味深い 講座に参加させていただきました。編物は明治維新後の文明開化と共に日本に入って来たのですが、明治20年代には 各地に編物を教える人がいて、「内国勧業博覧会」で産業としての編物で受賞する女性もいたようです。日清戦争の後 明治28年ごろから輸出用のレース編みや編物が盛んになったようです。明治以前の日本には編物の概念が全く無かったにもかかわらず(籠などを編むはありましたが)、たった20数年で輸出まで とは …女性の底力を感じました。

会場には 明治からの書籍や資料、 編物本の中から復刻された完成品の展示など 大変 内容の濃い 講座でした。

糸偏生活 9 10.Dec.2019

12月は 贈答シーズン。贈ったり贈られたり、儀礼的なものもあるけど、でも相手のことを思って贈り物を選ぶのはとても楽しい時間です。

先日ステキなプレゼントをいただきました。

本の上で 羊を前に 教会を抱いている東欧風の女性の木彫りの置物。

羊を飼い 花を売る 牛車で物資を運びその日に稼いだお金で夕食を食べている国がある

とカードに書いてありました。抱いている教会は ルーマニアのトラシルバニアという村にある教会だそうです。

編み物と縫い物をコツコツとするのが大好きな私は 時間が過ぎるのに無頓着で、 花を育てたり 畑を耕す、ペットでない動物を飼うことなどはきっと無理だと思う。誰かが育ててくれた花や 野菜も 誰かが作ってくれた糸で 何かを作って 物々交換なら 生きていかれるかな? …音楽があって図書館もあって欲しい。

糸偏生活89.Dec.2019

冬の味 せこ蟹

京都の人が 冬の到来を感じる食べ物の一つに 画像の「せこ蟹」があります。「こっぺ」とも呼ばれています。トランテアンでも ご近所さん同士出会われると 「もう こっぺ食べた?」が挨拶のように交わされます。松葉蟹のメスで 普通全国的に食べられているのは オスだそうです。甲羅の幅が10㎝くらいの小さな蟹です。riekoは京都に来るまで知りませんでした。

美味しい と 面倒 どっちを取るか なんて野暮なことは考えられないほど 〝すごく美味しい〟と 皆さんおっしゃいます。

せこ蟹は メスなので 内子(甲羅に入っている)と外子(下部に盛られてる)が特に美味しい。甲羅の中身以外 いつもはガシガシと殻ごとかじるか、(脚の中身は贅沢にも食べないひともいる)お味噌汁に入れるか なのですが、近所の時々おじゃまする居酒屋さんに持ち込んで (全くの下戸です)さばいていただきました。美しいです!上桂にも 遂に 冬が来ました。

続糸偏生活 7 8.Dec.2019

2008年 10月25日 トランテアン初の 『移動手芸店』を開かせていただいた 「オルネドフォイユ」さんに行ってきました。東京青山から東急目黒線不動前に移転され初めての訪問でした。久し振りにオーナーにお会いして近況をお話し出来、あいかわらずの手芸好き男子ぶりが嬉しかったです。

続糸偏生活 6 7.Dec.2019

トランテアンソーイング教室は、受講される方に合わせた内容で進んで行きます。全く初めての方、縫うことは出来るけど 自分に合わせたパターンが引きたい方、ブラウスは縫えるけど、本格メンズシャツを縫ってみたい。玉縁ポケット、ファスナー付け… なるべくご希望に添えるようにお受けしております。ウエアだけでなく、バッグやポーチでもOKです。

今日は、ソーイングレッスン3回目のTさん。1回目は全くの初めてで ウェストゴムのヨークギャザースカートをタナローンで。2回目は同じデザインをエアリーコットで作りました。ミシンに少し慣れたところで今日の3回目。コーデュロイで作るジャンパースカート。

進むのは遅くても着実に縫えるようになりたい、とのTさんのご希望で、まだファスナー付けやボタンホールのあるデザインではないですが、ギャザーも綺麗、丁寧な縫いできちんとした1着になりました。

糸偏生活 5 6.Dec.2019

クリスマスの飾り付け

毎年 クリスマスシーズンになると出してくる、キリスト誕生のシーンの置物 『クレッシュ・ド・ノエル』。私の持ってるものは フランスで新年に食べる伝統菓子、ガレット・デ・ロワに入れるフェーブの一揃いです。ガレットに一つだけ入れたフェーブを引き当てた人がその日 一日中王様になれます。パリのレアールにある調理用具屋さんで見つけました。12月になるともう品切れになるし、あまり早い時期ではまだ販売されて無く、出会いはラッキーと言われました。3㎝足らずの小さな陶製ですが、キリスト誕生物語がすべて込められて、クリスチャンではないですが、楽しみな季節です。

今までのツリーが大きくなって店内に入れられなく、飾り方を変えてみました。大人になってもクリスマス飾りはワクワクします。レース糸でモチーフを編み、キーピングした物にビーズを付けて飾ってます。

「よみうりキルト時間」にエッセイと作品を連載しております。題して『リバティプリントと京都カフェ巡り』。画像はvol.21 2019冬、クリスマス特集号。次号は新年特集 12月25日発売です。書店ではなく読売新聞販売店かAmazon、トランテアンで購入していただけます。

糸偏生活4 5.Dec.2019

2019秋冬リバティプリント限定柄 〝ウィロビー・ミューズ〟

2019秋冬の柄のテーマ 『from London with love 』より詩人キーツと彼の恋人のストーリーから生まれた柄。

Willoughby Mews

キーツの恋人 ミス・ブローンのお気に入り猫 トッパーが、彼女のアクセサリー棚を襲撃したところを想像したデザイン。

ベレー帽を被りネックレスをした猫、サングラス、頭に羽、イヤリングをした猫。きっと猫達は 飼い主のいない間こんな遊びをしてるのかなぁ と 思わせる絵ですね。

動物柄が多いリバティプリントですが猫はあまり出会いません。英国では 犬派が多いのかしら…。

以前の糸偏生活でご紹介した スタッフの保護猫(2017、9月)がこんなに大きくなりました。時々私の猫保育園にお泊りに来ます。ピュアリーのお腹に乗って遊んでいた姿を思い出します。スタッフは猫の健康のため、食事時間や量を凄く気遣ってますが、我保育園に来たら 勝手知ったるてんこ盛りのえさ場に真っしぐら、 直行です。でも絶対膝には乗らないのが少し寂しい。