糸偏生活 11 12.Dec.2019

昭和手編本



昨日の 「糸偏生活」に関連して… この間 90歳近い 編物好きの方より 昔の編物の本をいただきました。

その中で一番古いのは昭和8年の上記の画像のもの。写真そのものだけじゃ無く、ヘアスタイルなどなかなか古色豊かですが、作り方も 毛糸の分量の単位は 〝オンス〟なのに、出来上がり寸法などは 身丈一尺三寸(49.2糎)の表記。横書きは右から左へ。でも巻末には バッチリ 通販のお知らせが。デザインは今もある感じ。

画像1の左下の 『毛糸あみもの全集8』昭和30年のもの。掲載作品の全てが海外写真。著者の渡辺イルゼさんは 編物作家さん。朝吹登水子さんはフランス文学者。お二人共 カリスマ的センスの持主で当時大人気 でした。昭和29年に〝7〟が発売されているので〝1〟は昭和23年かしら。戦後3年で海外のファッションが 家庭の茶の間に入っていたことになりますね。

右ページのスキースタイル サングラスと帽子がすごく素敵。

糸偏生活10 11.Dec.2019

画像2点の柄の名前のお問い合わせをいただきます。この2点は2020SS Atlier Collection “ Florals”. で発表されたものです。英国 シルクのみです。

画像 上 Dancing Flowers リバティ社のアーカイブから

画像 下 Scattered Roses 1950年代に描かれたデザインで オリジナルは1952年 「ブロッチ・ローズ」と言う名前で、リバティ社 マートンプリント工場にて印刷されました。

先日 とても興味深い 講座に参加させていただきました。編物は明治維新後の文明開化と共に日本に入って来たのですが、明治20年代には 各地に編物を教える人がいて、「内国勧業博覧会」で産業としての編物で受賞する女性もいたようです。日清戦争の後 明治28年ごろから輸出用のレース編みや編物が盛んになったようです。明治以前の日本には編物の概念が全く無かったにもかかわらず(籠などを編むはありましたが)、たった20数年で輸出まで とは …女性の底力を感じました。

会場には 明治からの書籍や資料、 編物本の中から復刻された完成品の展示など 大変 内容の濃い 講座でした。